支持政党はどこですか
支持政党がどこか、ですって? もう、その質問からして我慢がならんのですよ。こういうのは、手品で言うところのフォーシング。つまり押しつけ。無限の選択肢の中から特定の答えのみを選ばせる方法なんですから。 いや、政党の数は有限ですし、さらには支持政党なし、という選択肢があ...
本格ミステリと現実感覚
本格ミステリには「解決」が必要だ。 これは「謎」(不可能状況。起こらないはずのなにかが起こっている)という非現実が、(なるほどこれなら可能であろうという)現実に回帰する状況、およびその描写のことであろう。 だが、回帰するという「現実」はいかに規定されるのだろう。その...
映画『ちはやふる』感想
不思議な形で涙腺が刺激されて、泣けて仕方なかったのだが、もちろんそんな映画ではないのだ。 だが、ならばどんな映画だったというのだろう。 原作はコミック版で、たいへんなヒット作である。百人一首の競技カルタの世界における、いわば変則的で恋愛模様もからめたスポ根作品である。ス...
ショートショートのメソッド
ショートショートが好きだ。とりわけ書くのが好きなのだ。読むのは、まあ、好みが激しく厳しいところがあるので、必ずしも好きだとは言い難いのだけれど。 さて、そんなショートショートだが、このところ一時の冬の時代を超えてちょっとだけにぎやかになってきた気がする。 ...
検索性の高さがいけない
知りたいことがあったら、すぐに検索すれば良い。便利な世の中になったものだ。 だが、検索で得られた結果が正しいかどうか、どう判断すればいいのだろう。その情報を信用していいかどうか、疑問に感じたことはないだろうか。 ふと、こんなことを思ってしまう。 ...
こわいはなしのはなし
といってもホラー系統の話がしたいわけではない。いや、少し混ざるか。 しばらく考えていたのだが、「怖い話」をする者は、基本、相手をだまそうとしている、という前提でいいのではないか、と思うのだ。自覚してないケースも多々あることもおり込んで、「これが危ない」とか「これが怖い」...
老いと精度
ここ数年、踏むべきでないものを(あると承知しているのに)踏んだり、手を伸ばしたら湯飲みを指にひっかけて倒したり(もちろんビチャビチャだ)、壁や手すりにぶつかったりするようになってきた。 もちろん、老いてきたということなのである。還暦にはもう少しあるが、下り始めた坂で勢い...
『コネクトーム』感想
コネクトームという耳慣れない言葉を目にして(変な表現だなあ)この本を手にした。 つまり、脳内の活動は脳細胞の接続状況によって分かるはずだ、という考えにより、そのつながり具合を調べよう、コネクトームと呼ぼう、というような話らしい。 ...
映画『オデッセイ』感想
細かいことを書こうとすれば、どうしたってネタバレになるんじゃないか、と思う。 この映画、家族で見に行って、結果、面白く見終えた。だが、面白かった点のほとんどが細部の描写に関わっており、個々に説明するのは難しいのだ。 ...
人工知能について
人工知能の恐怖を考える前に、そもそも知能とはいかなるものかを考察すべきではないだろうか。 知能の高い者は、知能の低いものを搾取、無視、利用するという前提を、無条件に受け入れてはいないだろうか。 実際、今日的な意味において、知能が果たす役割はごく一部であると分かってい...