書店は出版の夢を見る
なんでもTSUTAYAが徳間書店を買収したとかいう。出版業界の変化、みたいな文脈で語られるようになるだろう。 けれどこの話を、私はちょっと違う角度からの感慨をもって受け止めた。それというのも昔なじみの作家、太田忠司がつい最近、この二社の協調によってデビュー作であるところ...
『ひゃくぶんのひゃく』のこと
二〇一一年は東日本大震災のあった年、ということになるのだろう。個人的にもあれこれ災厄のある年だった。 そんな年の始まりに、なにをどう思ったのか「ショートショートを書こう」と思ったのだ。たぶん。今なら書けるという感触と、遠からず書けなくなる、という危機感が背中を押した決断...
書籍流通のことなど
電子書籍が徐々に一般的になっており、単に(なにかしらを)読みたいだけのニーズには応じられるようになりつつあるようだ。すでに膨大な量の書籍が電子化されている、ということである(ただし、なんでもかんでもではない。読み切れないほどたくさんある、というだけだ)。 ...
『君の名は。』感想
面白くなかったかと言われれば面白かったのだが、二重の意味で面白くて、その隙間には大量の不満がはさまっているという、なんとも希有な、けれどきっとこれからはこうなるんだろうという予感を抱かせる作品だった。 もうずっと、「虚構が現実に浸食してくる感覚」が私にとって重要なテーマ...
縁とAんI
縁、と言ってしまえばそれで終わり。ただそれだけの話ではある。 けれど縁は、接触のことではなくて、接触した後に引きずるなにかしらのことだろう。ならば、縁を語るには、それをひきずるに至ったおのれの特性や相手の特性が重要になる。 ...
余裕があるやつだけ守れ
ソフトの違法コピーをたしなめたら逆ギレされた、という話を目にして暗澹たる気持ちになる。 つまり「おまえは金があるから違法コピーとか言うけど、貧乏人にはそんな余裕なんてないんだ」と反論されてすごすご引っ込んだらしいのだ。 正直、どっちもどっちである。 ...