『小さなSF?鑑』のこと
もう数年前になってしまったが、高井信さんが葉書による同人誌『SFハガジン』というのを始めるので、よかったら参加しませんかとのお誘いをくださった。 ショートショートを書く、ということであるなら原則お引き受けすることにしている。 ...
リデビュー小説賞の凶悪さ
講談社がリデビュー小説賞というのを始めたらしい。募集要項を見に行って、不快さに眉をひそめた。 なんだこれは、である。 要するに、一度は本を出したことがある人間のみを対象とした、新人賞なのだ。参加資格のみを制限してはいるが、中身は、つまり参加したことで得られるメリット...
出版のことを考えてみる
出版について考えてみよう。 出版というビジネスは、なんだかひどくいびつで、一般の社会常識では誤解されることが多いように思う。そのため、ツイッターなどでもおかしな話が飛び出して、状況に乗ってしまっている人をいらつかせるのだ。 ...
正しいとか優れているとか
生きてゆく、というのは選択をし続けることである、と言ってもいいだろう。 とか言うと、「今日の晩ご飯どうしようかな」的な考えが起こってくるわけだが、まあ、それも選択であるのは間違いないのだが、ここで言ってるのはもっと小さい、原理的なところのお話である。...
『ひゃくぶんのひゃく』のこと
二〇一一年は東日本大震災のあった年、ということになるのだろう。個人的にもあれこれ災厄のある年だった。 そんな年の始まりに、なにをどう思ったのか「ショートショートを書こう」と思ったのだ。たぶん。今なら書けるという感触と、遠からず書けなくなる、という危機感が背中を押した決断...
縁とAんI
縁、と言ってしまえばそれで終わり。ただそれだけの話ではある。 けれど縁は、接触のことではなくて、接触した後に引きずるなにかしらのことだろう。ならば、縁を語るには、それをひきずるに至ったおのれの特性や相手の特性が重要になる。 ...
語り継ぐということ
終戦記念日だとか原爆投下の話題になると、かならず出てくるのが「この悲惨さを語り継ぐ必要がある」という話なのだ。 毎度思うのが、この種の話題づくりの気持ち悪さなのである。 いや、多くの人間にとって、自己の正当性を確保するのは重要な課題であって、なんらかの顕著な体験をし...
大量殺人事件についての覚書
相模原で起こった障害者に対する大量殺人事件について、書いておきたいことはあるのだが、急いでなにかしようとしてもまとめきれる自信がない。 だが、そうこうするうちにいろいろ忘れてしまうに違いないので、覚え書きとしてメモしておきたい。 まず、犯人の考え方について。 ...
間違ってはいけない
セコいと批判されて知事が辞任に追い込まれた。 毎日毎日ワイドショーで責め立てられ、ひたすらセコいと責められて、ついに辞めた。 いやな気持ちになり続けたのは私だけだろうか。 程度はともかく、自分がセコいことは十分に自覚している。そのことを棚に上げて批判する気にはま...
検索性の高さがいけない
知りたいことがあったら、すぐに検索すれば良い。便利な世の中になったものだ。 だが、検索で得られた結果が正しいかどうか、どう判断すればいいのだろう。その情報を信用していいかどうか、疑問に感じたことはないだろうか。 ふと、こんなことを思ってしまう。 ...