本格ミステリ大賞2017への投票
本格ミステリ大賞の投票をするため、今年も候補作を購入して読むことにしたわけだ。 評論については、評論という枠組み自体に懐疑的なこともあり、そもそもそれを評価することなどできそうにないので最初から棄権するわけだが、小説の方は、なにしろ本格ミステリ作家クラブに入会するという...
『君の名は。』感想
面白くなかったかと言われれば面白かったのだが、二重の意味で面白くて、その隙間には大量の不満がはさまっているという、なんとも希有な、けれどきっとこれからはこうなるんだろうという予感を抱かせる作品だった。 もうずっと、「虚構が現実に浸食してくる感覚」が私にとって重要なテーマ...
シン・ゴジラ感想
ゴジラがあるなら見に行かねばとか、庵野秀明が作ってるならとか、そういう義務感はない。ないが、ゴジラを一種の災害と考え、それにどう対応するか、という視点によって作った映画らしい、という話が聞こえてくるにつれ、見ておこうという気になった。 結果、面白かったとは思う。 ...
映画『ちはやふる』感想
不思議な形で涙腺が刺激されて、泣けて仕方なかったのだが、もちろんそんな映画ではないのだ。 だが、ならばどんな映画だったというのだろう。 原作はコミック版で、たいへんなヒット作である。百人一首の競技カルタの世界における、いわば変則的で恋愛模様もからめたスポ根作品である。ス...
『コネクトーム』感想
コネクトームという耳慣れない言葉を目にして(変な表現だなあ)この本を手にした。 つまり、脳内の活動は脳細胞の接続状況によって分かるはずだ、という考えにより、そのつながり具合を調べよう、コネクトームと呼ぼう、というような話らしい。 ...
映画『オデッセイ』感想
細かいことを書こうとすれば、どうしたってネタバレになるんじゃないか、と思う。 この映画、家族で見に行って、結果、面白く見終えた。だが、面白かった点のほとんどが細部の描写に関わっており、個々に説明するのは難しいのだ。 ...