販売開始した『魔法物語』のこと
魔法物語というタイトルで、かつて作品を発表したことがある。これを、書き直して再発表することにした。 最初に発表した頃、国産ファンタジーはあまり書かれていなかった。いや、私自身ほとんど書いたことなどなかったし、それどころか大して読んでもいなかった。 ...
『ひゃくぶんのひゃく』のこと
二〇一一年は東日本大震災のあった年、ということになるのだろう。個人的にもあれこれ災厄のある年だった。 そんな年の始まりに、なにをどう思ったのか「ショートショートを書こう」と思ったのだ。たぶん。今なら書けるという感触と、遠からず書けなくなる、という危機感が背中を押した決断...
書籍流通のことなど
電子書籍が徐々に一般的になっており、単に(なにかしらを)読みたいだけのニーズには応じられるようになりつつあるようだ。すでに膨大な量の書籍が電子化されている、ということである(ただし、なんでもかんでもではない。読み切れないほどたくさんある、というだけだ)。 ...
『小さなサーカス』のこと
短編は長編より好きだ。読むのも書くのも。 長い作品は完結しなかったり、読んでいるうちに嫌いになったりすることがあるが、短い作品にはそれがない。すっきり終わった上で個々の作品の印象が固まってくれる。 そういった意味でショートショートは大好きである、と言える。もちろん個々の...
『非在時空』のこと
かつてe-novelsという、作家による電子書籍販売サイトが存在していた。私がそこに参加したのは「鬼ノ在処」という作品を書くためだった(このことについては「鬼ノ在処」についてのところで書いた)。 さて、思惑通りに長編を書き上げ発表したが、予想通り売り上げはほとんどなかっ...
短編が好き
長編には長編の、短編には短編の面白さがある。双方に含まれるタイプの面白さもあるが、実はどちらか一方にしか含まれない面白さもある。 当然のようだが、当然ではないようでもある。長編になら短編の面白さを全部含むこともできそうに思えてくるからだ。 ...
『鬼ノ在処』のこと
コンピュータとネットの時代を前にして、それでも手書きで小説を書く、というのは決して間違ってはいない。それは、執筆ツールには思索のためのツールという側面があるからで、そこが変われば書くものが変わってしまう、ということが大いにあり得るからだ。 ...
オンデマンド出版のこと
オンデマンド出版というのは、本のデータだけを準備しておき、注文を受けてから印刷、製本した書籍を販売する仕組みのことである。 従来より、出版という仕組みには無駄が多かった。読まれるかどうか分からない本を大量に製造して書店に並べてもらわなければならない。だから、書店で売れな...